【瑞牆山・金峰山】 秩父の名峰を日帰り縦走記

2026.04012

夜明け前の森を抜けて 

4:40AM

周囲はまだ暗いものの、空の端から少しずつ光が滲み出し、

あたりが刻一刻と明るくなっていくのを感じます。

冷たく澄んだ空気(外気は4度)を胸いっぱいに吸い込み、

瑞牆山と金峰山の2座を目指して最初の一歩を踏み出しました。

薄明かりの中を進む冒険の始まり。太陽が昇り切る前に標高を稼ぎ、

最高の景色を捉えるための挑戦が幕を開けました。

眼前に現れた瑞牆山の鋭いシルエット

富士見平へと続く道を歩み始めて約30分。息が少し上がり始めた頃、

視界を遮っていた樹林の隙間から、ついにその姿が姿を現しました。

夜明けの薄明かりの中に浮かび上がる瑞牆山のシルエット。

幾つもの岩峰が天を突くように切り立ったその姿は、

遠目からでも圧倒的な存在感を放っています。

「あそこまで登るのか」という高揚感と、自然が造り出した造形美への畏敬の念。

ここから本格的な岩場への挑戦が始まります。期待を胸に、さらに歩みを進めます。

巨岩の迷宮:桃太郎岩から大ヤスリ岩へ

瑞牆山への道は、一度天鳥川まで大きく下り、そこから再び急登が始まるという変化に富んだコースです。

歩みを進めるごとに、瑞牆山の代名詞とも言える個性豊かな巨岩たちが次々と姿を現します。

ぱっくりと割れた桃太郎岩

登山道の途中に突如として現れるのが、巨大な「桃太郎岩」です。

見事に真っ二つに割れたその姿は、まるで伝説の物語から飛び出してきたかのよう。

足元に積まれた無数の杖代わりの小枝が、多くの登山者を見守ってきた歴史を感じさせます。

山頂直下の試練:凍てつく最終局面

登り始めてから約1時間半、瑞牆山の山頂まであと50mというところまで辿り着きました。

しかし、ここへきて新たな課題が立ちはだかります。

直射日光の届かない日陰の斜面には、カチカチに凍りついた氷がびっしりと地面を覆っています。

凍っている箇所を巧みに避け、

岩の凹凸やわずかな土の露出部分を選びながら、

一歩ずつ慎重に足場を固めていきます

瑞牆山登頂:岩の頂から望む大パノラマ

氷の張った難所を慎重に乗り越え、ついに瑞牆山の山頂に到着しました。

登山口を出発してから約1時間20分。目の前に広がったのは、

これまでの疲れを一気に吹き飛ばすような、360度の大絶景でした。

朝の光が描く影瑞牆

ふと足元に目を向けると、朝の低い太陽の光によって、瑞牆山自身の鋭いシルエットが下方の斜面に投影されていました。まさにこの時間、この天候だからこそ出会える「影瑞牆」の姿。

岩肌に落ちる長い影が、この山の険しさと美しさを物語っているかのようです。

遥かなる稜線の先へ:瑞牆山頂から仰ぐ金峰山

瑞牆山の山頂に広がる絶景を前に、次なる目的地へと意識を切り替えます。

視線の先、左手に見えるなだらかながらも力強い山容が、次なる目標である金峰山です。

山頂付近にはまだ白く雪が残り、その標高の高さと、これから待ち受ける道のりの険しさを物語っています。

そして右手には、まるで絵画のように美しい富士山が。

朝の柔らかな光を浴びて浮かび上がるその姿は、

何度見ても登山の疲れを忘れさせてくれる特別な存在です。

山頂の厳しい寒さもあり、滞在時間はわずか10分。体温を奪われる前に、

そしてこの高揚感を維持したまま、富士見平への下りと

金峰山への登り返しに向けてリスタートを切ります。

百名山2座を繋ぐ縦走路。次はあの金色の頂を目指して、一歩ずつ確実に進んでいきます。

瑞牆山からの急な下りを終え、午前6時56分、再び富士見平まで戻ってきました。

ここは瑞牆山と金峰山、そして登山口を結ぶ重要なジャンクションです。

ここで一度ザックを下ろし、トイレ休憩を挟んでリフレッシュ。

金峰山への登りはここからが本番です。エネルギーを補給し、

装備を整え、次なる頂に向けて気持ちを切り替えます。

樹林帯に現れた氷の道:チェーンスパイクの初陣

富士見平から金峰山へと足を進めて約30分。標高が上がるにつれ、トレイルの状況が一変しました。目の前に現れたのは、登山道を完全に覆い尽くしたアイスバーン。瑞牆山直下の氷よりもさらに範囲が広く、いよいよ冬の名残が本格的に姿を現しました

ここで、知人から譲り受けたというチェーンスパイクを初めて投入します。

トレイルランニングシューズにしっかりと固定し、

その金属の爪が氷を捉える感触を確かめます。初めての使用感に期待しつつも、

過信は禁物。ガチガチに凍った路面に慎重に足を置き、滑落や転倒に細心の注意を払いながら進みます。

周囲には青々とした苔が息づいていますが、足元はどこまでも続く白い氷。

この時期、この高度ならではの独特な景色の中、チェーンスパイクの心強いグリップを頼りに、

一歩ずつ確実に金峰山の頂へと距離を詰めていきます。

標高2,500mの別世界:稜線に広がる大パノラマ

8:29 ついに森林限界を抜け、視界が一気に開ける稜線へと飛び出しました。

これまでの苦労を補って余りある、圧倒的なスケールの景色が待ち構えていました。

稜線に出てから山頂へと続く道は、まさに「超絶綺麗」という言葉がぴったりの絶景ロードでした。

視界を埋め尽くす白と青の世界

足元には真っ白な雪が道筋を作り、その先には金峰山の

象徴である五丈岩が力強くそびえ立っています。視線を上げれば、

雲ひとつない真っ青な空。雪の白さと空の青、そしてハイマツの緑が織りなすコントラストは、

厳しい登りを乗り越えた者だけが味わえる最高のご褒美です。

五丈岩が目前に:金峰山頂へのラストスパート

一歩、また一歩と進むたびに、あの巨大な五丈岩の輪郭がはっきりと、そして大きく迫ってきます。

白い雪のトレイルを辿りながら、標高を上げるごとに周囲の景色もより広大に。空へと突き上げるような五丈岩の勇姿が、疲れた身体を力強く押し上げてくれるようです。

この稜線を歩き切れば、ついに2座目の頂。百名山ダブル制覇の瞬間を目前に、胸の高鳴りが抑えられません。最高の結末を求めて、最後の斜面を駆け上がります。

頂に立つ:午前9時、金峰山登頂

稜線を歩き続けること約30分。ついに午前9時ちょうど、標高2,599mの金峰山山頂に到着しました。

山頂にそびえる巨大な五丈岩は、遠目からも一目でわかる金峰山の象徴。

古くから信仰を集める神秘的な存在感で、青空へ突き上げるその姿はまさに圧巻の一言でした。

山頂の標識の向こうには、先ほどまで立っていた瑞牆山が随分と低く、

そして遠くに見えます。さらにその先には、真っ白に雪を被った八ヶ岳の連峰が、

澄み渡る青空の下で一際輝いていました。

瑞牆山から始まった今回の縦走。タフな登り返しやアイスバーンという試練もありましたが、

この頂に立った瞬間の解放感と達成感は、何物にも代えがたいものです。

澄み切った青空の下、視界の限りを埋め尽くすのは、日本を代表する名峰たちの白銀の姿です。

絶景を堪能した後は、岩の陰で風を避けながらの昼食タイム。 山頂の冷たい風を遮り、

焼きそばパンと自家製おにぎりで一息つくこの時間は、登山の何よりの贅沢です。

目の前に広がる白銀の連峰を眺めながら、最高のエネルギー補給ができました。

山頂には約30分滞在し、名残惜しみつつも下山を開始します。

帰路も油断は禁物です。特に日陰や樹林帯に残るアイスバーンは、

行きよりも下りの方が滑りやすく神経を使います。チェーンスパイクの効きを過信せず、

一歩一歩の足場を慎重に確認しながら、安全第一で標高を下げていきました。

素晴らしい絶景を届けてくれた2つの山に感謝しながら、無事に登山口を目指します。

休憩無しで降りて11:56分に駐車場に戻ってきました。

正午前には無事に登山口まで戻り、今回の山行を締めくくりました。

帰り道、目の前には鳳凰三山や甲斐駒ヶ岳がどっしりとそびえ立ち、

最後まで南アルプスの名峰たちが見送ってくれているような最高のドライブ日和です。

帰路の楽しみは双葉SAでのランチ。熱々の広東麺で、

山で失った塩分をしっかりと補給しました。とろみのあるスープが体に染み渡ります。

幸い大きな渋滞に巻き込まれることもなく、

16時には無事帰宅。道具の片付けを済ませてようやく一息……と思いきや、

休む間もなく長男にサッカーへと連れ出されることに。

百名山2座を縦走した直後の脚にはなかなかハードな展開ですが、

これもまた充実した休日の一コマ。心地よい疲労感とともに、

家族との時間を過ごして一日を締めくくりました。

Screenshot

百名山 12・13/100 完

最後まで読んで頂きありがとうございます!

Moutain Climbing

Posted by haohao_T