Vol.78 最終日!! 津軽平野を駆け抜け、新青森へ

2026.03.23
鯵ヶ沢ー新青森駅

水軍の宿で「化石海水温泉」と「オールインクルーシブ」を堪能し、
奇跡的に回復した(?)足で迎えた最終日。
鯵ヶ沢から新青森駅を目指す、約60kmの旅が始まる。
【戦士の朝食】普段は食べない私を変えた、完食の理由
6:30

普段なら、身支度を済ませて早朝出発する朝。
しかし、この日は違った。 前日の鯵ヶ沢までの149km、
そしてここに至るまでの累計450キロの道のり。
身体は正直で、奥底から「エネルギーをくれ!」
という信号を送り続けていた。
というか、豪華な朝食が付いていたのと、残りが60キロ
そうはやく、朝に出発しなくてはいけない理由がなかった。
目の前に並んだのは、宿が心を込めて用意してくれた栄養たっぷりの和定食。
一口、また一口と箸を運ぶたびに、疲弊していた筋肉に力が戻ってくるのがわかる。
「これを食べきれば、新青森まで走りきれる」と
6:50

岩木山と共に走る、黄金の2時間
宿での栄養満点の朝食を力に変え、漕ぎ出した最終日。

眼前に広がっていたのは、言葉を失うほどに神々しい「岩木山」の姿だった。
津軽平野のどこからでも見えるその山容は、
走っても走っても追いかけてくるかのよう。
小さなタイヤを転がし、一漕ぎごとに近づき、また遠ざかる。
一漕ぎごとに、山の表情が変わる。 鯵ヶ沢から見る、少し険しさを残した横顔。
内陸へ進むにつれ、徐々にその裾野を広げ、

完全な円錐形へと近づいていく姿。どの角度から見ても、岩木山は、されど美しい。
「いつか、あの頂に立ってやる」

小さなTernを走らせながら、胸の奥で新たな挑戦への炎が灯るのを感じた。
今はまだ、この気高い姿を麓から仰ぎ見ることしかできないけれど、
この美しい山に登るという目標が、これからの私の人生の新しい楽しみになる。

膝の痛みも、吹き抜ける冷たい風も、
この岩木山の美しさの前では心地よい旅の記憶に変わっていく。
八甲田と岩木山、二大名峰に挟まれて
岩木山巡礼の至福の3時間を経て、ついにその時は訪れた。
「青森市」

その文字が見えた瞬間、これまでの疲れや膝の痛み、
そして新潟からの約500kmの記憶が、一気に達成感へと塗り替えられた。
そして、目の前には、白く輝く八甲田連峰が、
まるで旅人の完走を祝福するかのように壮大にそびえ立っている。
「……うしろには、岩木山だ」
振り返れば、そこにはここまでずっと背中を押し続けてくれた岩木山が、気高く佇んでいる。
目の前に八甲田、後ろに岩木山。
この二つの巨大な名峰に挟まれて走る、最後の一本道。
なんて贅沢なんだ。
新潟から一漕ぎずつ、この小さなタイヤで刻んできた道のり。
決して楽な道のりではなかったけれど、自分の足で進んできたからこそ、
この景色は格別に誇らしく感じられる。
八甲田に見守られながら、私は感動のゴール、
新青森駅へと滑り込んでいった。
感動のゴール!新青森駅
市街地へ入り、ついに目的地の「新青森駅」へ。

駅舎の前には、まだ雪が残っていた。 小さなミニベロで、
日本海の荒波に沿って北上し続けたこの数日間。
決して楽な道のりではなかったけれど、自分の足で一漕ぎずつ進んってきたからこそ、
このゴールは格別に誇らしく感じられる。
新潟から青森。総走行距離数百キロの、壮大な旅。
膝を労り、風を味方にし、時には試練に耐えながら、ついに辿り着いた終着点。
「ありがとう、サイクリングの神様。そして、ありがとう、俺の足とTern」
【完結】日本海縦断500km:新潟〜青森、自分を超える旅

3月20日、春分の日の朝焼けと共に新潟をスタートしたこの旅。
「熊の心配がない」という理由で選んだ日本海ルートは、
想像を超える名峰のオンパレードだった。
初日の笹川流れで味わった塩むすびの多幸感、
そして右手に現れた雄大な月山。
2日目、酒田から男鹿へ向かう道中で正面に見据えた、真っ白な鳥海山の神々しさ。
160km超えの激走を支えてくれたのは、駅前で食べた「カツ」と改装された宿の温泉だった。
3日目、累計400kmを超えて「鯵ヶ沢」の文字を見た時、旅は確信に変わった。
最終日、津軽平野を走れば、背後に岩木山目の前には八甲田連峰という最高のご褒美。
「いつかあの頂に立とう」と新しい野望を抱きながら、
500kmの轍を刻みきった。
小さなTernと共に駆け抜けた4日間。
日本海の風、名峰の白、そして温かな食事——すべてが一生モノの記憶になった。
おしまい
日本横断一筆書き 合計 走行距離9, 434キロ




