Vol.81 留萌ー稚内188km激走!快晴のオロロンライン、利尻富士に抱かれて

【Day 3 サマリー:留萌〜稚内】 翌日以降天候が崩れる予報という

「春の嵐」を目前に控えた、今回の旅の天王山。当初の予定を大幅に変更し、

日本最北端を目指して188kmを激走した、

まさに「アドベンチャー」な一日となりました。

Screenshot

走行日: 2026年5月1日(金) 

ルート: 留萌市 〜 稚内市 

走行距離: 188.39 km 

走行時間: 12時間 21分 

獲得標高: 806 m 

気温・天候: 7.2℃、快晴(今晩から雨の恐れ)

未明の決意:静寂の留萌から北へ

3時半に起床。 まだ街が眠りの中にあり、空も暗い午前4時、私はホテル「R-inn」を後にしました。

エントランスを出ると、ヘッドライトを装着したおじいさんが新聞配達をしていました。 「元気だなあ」と思わず見入ってしまいます。

「どこまで行くんだい?」

そう聞かれ、「稚内まで!」と元気に挨拶。 188km先のゴールを口にした瞬間、自分自身の覚悟がさらに固まったような気がしました。

まだ肌寒い留萌の空気を感じながら、いよいよ「日本イチのルート」オロロンラインへ向けてペダルを回し始めます。

留萌の市街地を抜け、進路はいよいよ北へ。 標識に記された「稚内」の文字が、これから始まる188kmという壮大な旅路を実感させます。

ふと顔を上げると、山の向こうから眩しい朝日が溢れ出し、影を長く伸ばしながら道を黄金色に染めていました。

振り返れば絶景。これぞ「本物」のオロロンライン

走り始めて1時間、ふとペダルを止めて後ろを振り返ると、そこには言葉を失うような光景が広がっていました。 遠ざかる留萌の街の向こうに見えるのは、真っ白に雪を頂いた暑寒別岳(しょかんべつだけ)でしょうか。 海と空の青に、神々しいまでの白が映え、まるで絵画のような美しさです。

このルートの素晴らしさは、何といってもその圧倒的な開放感。 車の数も驚くほど少なく、聞こえるのは波音と風を切る音だけ。 海岸線に沿ってどこまでも続く道は、まさにサイクリストにとっての聖地です。

「これこそが、本物のオロロンラインなんだ」

そう肌で感じながら、北の大地のリズムに身を委ねる。 これほど走りやすく、心洗われるサイクリングは他にありません。

午前6時半、太陽の高度が上がるにつれて、冷え切っていた空気の中に確かな暖かさを感じ始めました。 早朝の張り詰めた寒さも和らぎ、ここからは絶好のサイクリング日和になりそうな予感です。

目の前には、オロロンラインの象徴ともいえる巨大な風車群が姿を現しました。 広大な原野に整然と並ぶその姿は、北の大地を走っていることを改めて実感させてくれます。

海に浮かぶ幻峰。利尻富士を追いかける旅

午前9時半、視界の先に待ちわびていた姿が見えました。 麓に雪がなく、山頂だけが白く輝いているため、まるで海の上に浮いているかのような幻想的な美しさです。

稚内まではまだ100km以上の道のりがありますが、この先ずっとこの山を眺めながら走れると思うと、ペダルを漕ぐ足取りも自然と軽くなります。 羽幌から天塩町にかけて続くタフなアップダウンも、この神々しい景色があれば乗り越えられるはず。

爆速チャージ!遠別で見つけた「ホタテの山」

早朝4時の出発から6時間。午前10時前には、ちょうど中間地点となる約90km先の「道の駅 えんべつ富士見」に到着

道の駅に到着し、迷わず注文したのは地元の名物。 運ばれてきたホタテ丼を見て驚きました。これでもかと言わんばかりにホタテが敷き詰められ、その数は20個近くあったでしょうか。

あまりの美味しさと、後半戦に向けた空腹感から、夢中でかき込みわずか5分で完食。 コーラとドーナツもしっかり添えて、失ったカロリーを強烈に補給します。

空になった丼が、ここまでの激走の激しさを物語っていますね。 しっかり胃袋を満たしたところで、いよいよ運命の後半戦へ

20キロ先のみちの駅天塩を目指します。

道の駅では、疲れた体に染み渡るソフトクリームを堪能。 そして、命綱ともいえる最後の「セイコーマート」で、おにぎりやゼリー飲料などの捕食をしっかりと買い込みました。

この先は「トラブルがあったらおしまい」という緊張感あふれるエリア。 188km激走のハイライトとなる後半戦を前に、しばしの休息で精神を研ぎ澄ませます。

12:00、轟音とともに始まる「真のアドベンチャー」

天塩の町を離れた瞬間、そこは「何もない」ことが贅沢なほどの別世界。

稚内までの約70km、自動販売機はおろか、一軒の民家すら存在しません。

もし何かトラブルがあれば、助けを呼ぶことも容易ではない

。その緊張感こそが、この旅を最高の「アドベンチャー」へと昇華させてくれます。

走り始めて30分。 目の前に現れたのは、言葉を失うほどの絶景でした。

体中にアドレナリンが駆け巡り、疲れなどどこかへ吹き飛んでしまいました。

もし予定通りに一泊していたら、この青空と、この利尻富士には会えなかったかもしれません。

「今、ここ」を全力で駆け抜ける喜び。

日本海を左手に、最北の地・稚内を目指す旅は、いよいよ最高のフィナーレへ向かいます。

終わらない絶景。利尻富士と対話する3時間。

12時に天塩をスタートしてから、1時間、2時間、そして3時間。

どれだけペダルを漕いでも、視界からあの神々しい利尻富士が消えることはありません。

むしろ、進むごとにその姿はより近く、より雄大に。

道道106号線、サロベツ原野を貫くこの一本道は、

もはや道路というより「利尻富士を眺めるための特等席」です。

1時間経過 原野の広大さに圧倒されながら、まだ遠くに感じる島影を追いかける

2時間経過 海の色がキラキラと輝きを増し、島の稜線がくっきりと浮かび上がる

3時間経過 利尻礼文サロベツ国立公園の看板が現れる頃、島はまるで手の届きそうな距離

「進んでも進んでも、利尻富士がついてくる。

角度を変え、光を変え、そのたびに新しい表情を見せてくれるその姿に、

私は完全に魅了されていた。

同時に、心の中で一つの誓いを立てる。

『来月、必ずあの頂に立つ。』

今はこうしてペダルを漕ぎながら、

その日を想像するだけで胸が熱くなる。

眺める美しさを堪能した後は、

その懐に飛び込む厳しさと喜びを味わう番だ。 天塩町から3時間40分、

アドレナリンを切らさず走り抜き、ついに稚内市内へと突入しましたね。

市街地に入った途端、野生の鹿たちが群れをなして出迎えてくれる光景は、

まさに最北の地ならではの劇的なフィナーレです。

16:00、ノシャップ岬。旅の終わりの、はじまり。

天塩からノンストップで駆け抜けること4時間。

16時ちょうど、私はついにノシャップ岬の地に立ちました。

目の前には、ここまでずっと並走してきた利尻富士が、

夕刻の光を浴びてさらにその神々しさを増しています。

ホテルから歩いて数分、辿り着いた稚内駅の広場には、

かつての線路の終わりを示す黄色の車止めが静かに佇んでいます

「旅の最後は、胃袋が求めていた答えに辿り着いた。

稚内の老舗洋食店『ボリューム亭』。

運ばれてきたハンバーグの重厚感は、

今日走り抜いたサロベツの荒野の広大さとどこか重なって見えた。

一口食べるごとに、4時間の激走で空っぽになった体に力が宿っていくのがわかる。

稚内駅の車止めを見て感じた静かな達成感と、

この熱々のハンバーグ。 これで私の『日本海縦断 370km』の旅は、

本当の意味で完結した。

来月の利尻富士、必ず登る。

このエネルギーを、次なる頂への糧にして。

【総括】日本海縦断370km:決断が引き寄せた「最高の一日」

今回の旅を振り返って、何より自分を褒めたいのは「日程変更」という直感に従ったことです。

当初は天塩で一泊する予定でしたが、翌日の雨予報を考え、12時に天塩をリスタート。

稚内までの188kmを一気に駆け抜ける決断をしました。

結果、これが大正解。翌朝、窓の外は予報通りの冷たい雨。

もしあの時止まっていたら、あの神々しい景色には出会えていませんでした。

最後まで読んで頂きありがとうございます!!

日本横断一筆書き  合計 走行距離9, 804キロ

60歳で自転車世界一周へ。
この一杯が、次の一歩になります!!