Vol.84 今の能登はどうなってる?2026年夏・反時計回りで走る能登半島一周

「遠かった憧れの地。諦めかけたあの日を経て、ついに能登の風になる。」

自転車に乗り始めてから、ずっと走りたかった能登半島。

「距離が遠い」「天気が合わない」「何日必要なのか」……

そんな理由をつけては後回しにしていた矢先、2024年1月1日の大震災が襲いました。

「これで、もう走ることはできないのかもしれない……」

一度は諦めかけたノトイチ。

しかし、「いつから海岸線を走れるようになるのか?」と常に状況を追い続ける中で、

ついにチャンスが訪れました。

とはいえ、ネットで調べても宿や補給ポイントの情報は限られ、

計画は一筋縄ではいきません。試行錯誤の末に弾き出したルートが、こちらです。

ノトイチ(約270km)反時計回りルート

Day1: 七尾駅 〜 珠洲市

Day2: 珠洲市 〜 輪島市(黒島)

Day3: 輪島市 〜 七尾駅

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「宿は大丈夫か?」「補給はできるのか?」「道はつながっているのか?」

不安は尽きませんが、なにより「復興に向かう能登の『今』を、自分の目で確かめたい!」

という強い思いが背中を押してくれました。

2026年夏、覚悟を決めて走り抜けた3日間の記録。

まずはDAY1の様子からお届けします!

【DAY1 走行データ】

・日付:2026年8月12日

・区間:七尾市 ~ 珠洲市(能登島・穴水・能登町経由)

・走行距離:100.29 km

・タイム:8時間19分53秒

・平均速度:12.0 km/h

・総上昇量:777 m

・消費カロリー:2,090 kcal

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七尾駅をスタート!まずは能登島サイクリングへ

ノトイチ1日目の朝、澄み切った青空の下、6時32分に七尾駅を出発。

いよいよ約100kmのロングライドがスタートです。

最初の目的地は「能登島」。 七尾市内を抜け、海をまたぐ大きな「能登島大橋」へ向かいます。

橋の上に差し掛かると、眼下に広がるのは穏やかな七尾湾の絶景!

早朝の爽やかな潮風を感じながら橋を駆け抜ける瞬間は、

ノトイチのスタートにふさわしい最高のオープニングでした。

島内に入ると「いしかわ里海めぐりルート」「七尾湾ルート」の青いサイクリング看板が整備されており、

迷うことなく快適にライドを進められます。

緑豊かな島内の道と時折見える青い海のコントラストを楽しみながら、

ツインブリッジのとを目指してペダルを回していきます。

能登島を抜け、ツインブリッジのとを渡って本土側の穴水方面へと進みます。

沿道には青い海がすぐ目の前に広がるバス停があり、

あまりのロケーションの良さに思わず自転車を止めて一休み。

眩しい日差しと静かな波の音に包まれ、贅沢な時間を味わいました。

さらにルートを進めると、のと鉄道の「西岸(にしぎし)駅」に到着。

木造のレトロな駅舎が味わい深く、アニメの舞台(湯乃鷺駅のモデル)としても知られる風情ある駅です。

ファミマで朝食&真夏の必須テクで暑さ対策

8時45分、途中のファミリーマートで朝食タイム。

がっつりエネルギーを補給したかったので、

唐揚げ巻をチョイスしてしっかりとチャージしました。

この日は雲一つない快晴で、時間が経つにつれて気温もぐんぐん上昇。

そこで、真夏のロングライドでいつもやっている暑さ対策を実行します。 コンビニで氷(ロックアイス袋)を購入し体を冷やします!

しっかり補給と熱中症対策を整えて、

さらに北の珠洲を目指してリフレッシュした状態で再スタートです!

穴水を越えて穴水町鹿波(かなみ)付近の沿道を走っていると、

富山湾の向こう側に雄大な山影がくっきりと見えてきました。

澄み切った青空と穏やかな海、その彼方に美しく佇む立山連峰を

はじめとする北アルプスの山並み。

夏のこの時期にここまで鮮明に望めるのは本当に運が良く、

あまりの美しさに思わずロード脇に自転車を止めて見入ってしまいました。

鹿波の案内板がある展望スポットでひと休みしながら、

海とアルプス、そして愛車を一緒にパチリ。

富山湾越しに3,000m級の山々を眺めながら走れるのは、内浦コースならではの贅沢な醍醐味です。

内浦エリアは大きなアップダウンも少なく、

穏やかな富山湾の青い海を右手に眺めながら気持ちよくペダルを回していけます。

日差しは強くかなり気温も上がってきましたが、海風が心地よく、ロケーションは抜群。

芝生の緑と海岸線が広がるロケーションは、走っていて本当に飽きません。

途中で見つけた「兜診療所前」のバス停でちょっと一休み。

ログハウス風の立派な待合室になっていて、日陰に入るとホッと一息つくことができました。

能登町・宇出津に到着!「ごいた発祥の地」でほか弁ランチ

12時ちょうど、穴水を越えて能登町の中心地である

「宇出津(うしつ)」に到着。

お昼時ということもあり、周辺の飲食店はどこも大混雑で入れそうにありませんでした。

そこで今回は無理をせず、ほか弁屋さんで出来立てのお弁当(温泉卵がのったスタミナ丼)をテイクアウト!

港沿いにある綺麗な芝生広場へ向かうと、

「ごいた発祥の地 宇出津」のモニュメントがある素敵なベンチを発見。

目の前に広がる穏やかな港と青空を眺めながら、愛車とともに青空ランチタイム。

サクッとしっかりエネルギー補給ができ、時間も有効活用できました。

ロングライドでは、状況に合わせて柔軟にランチスタイルを決めるのもスムーズに旅を進めるコツです。

お腹を満たしたら、さらに先の九十九湾・珠洲方面を目指して再出発です!

珠洲市へ突入 目の当たりにする震災の爪痕

能登町を抜け、14時40分頃に珠洲市に入りました。

市境を越えて進むにつれ、それまで走ってきた穏やかな景観とは一変し、

震災被害の痕跡があちこちに色濃く残っている光景が目に入るようになります。

ブルーシートで覆われた窓や崩れた屋根瓦、

大きく隆起して亀裂が入ったコンクリートの駐車場など、地震の凄まじさを改めて実感させられました。

実際に自分の足でペダルを回し、この現場を通り抜けることでしか感じられない緊張感と重みがあります。

現在の能登のありのままの姿を胸に刻みながら、静かに復興への祈りを込めて慎重に走りを進めました。

「のとじ荘」へ到着!温泉と洗濯でリフレッシュ

15時ちょうど、本日のゴールである見附島近くの宿「のとじ荘」に無事到着しました!

長時間のライドでしっかり汗をかいたので、チェックインを済ませたらさっそく楽しみにしていた温泉へ。

温かいお湯に浸かって疲れをじっくり癒やし、溜まったウェアの洗濯を済ませます。

汗を流して身軽になると、一気に人心地がつきました。

身体もさっぱりとリフレッシュできたところで、

夕食までの時間を使って珠洲の街や周辺の散策へ出かけてみます!

お風呂で汗を流してサッパリとした後、

目の前に広がる海を見に行こうと館外の海側へ向かいました。

そこで目に飛び込んできたのは、ブルーシートで大きく覆われた1階部分の痛々しい姿でした。

破れた窓ガラスや傷んだウッドデッキなど、津波による被害の凄まじさがそのまま残されています。

営業を再開されている裏側で、1階部分にはこれほど甚大な被害を受けていたのだと分かり、

言葉を失いました。

このような厳しい状況の中でも温かく迎えてくださるスタッフの皆様や復興への努力に深く感謝しつつ、

能登が辿ってきた試練の重みを改めて実感した瞬間でした。

見附島周辺の散策 残された被害の大きさを実感

宿の周辺を散策してみると、この見附島周辺がいかに大きな被害を受けたエリアであったかを肌で感じることになりました。

地盤沈下や液状化によって地面から大きく飛び出してしまったマンホール、

今にも倒れそうなほど大きく傾いた電柱や水没した建物。

そして、震災当時の記憶を残したまま静かに佇むストリートライトや時計。

写真やニュースだけでは伝えきれない、現場の空気感と震災の爪痕の深さに息を呑みます。

この景色を実際にこの目で見て、空気を感じながら走ることで、

被害の大きさと復興への道のりの長さを改めて強く実感する時間となりました。

草が生い茂る空き地の脇に、ぽつんと取り残された時計付きの看板。

よく見ると、そこには「美容室」の文字が残っていました。

建物はすべて取り壊されたか流されてしまい、今は広い草むらになっていますが、

ここには確かに地域の人々が通い、笑顔で会話を交わしていた日常があったのだと教えられます。

残された看板ひとつが語る物語の重さに、思わず足を止めて静かに見入ってしまいました。

初日の締めくくり

前日の長距離ドライブから始まり、初日からかなり濃密で走り応えのある一日となりました。

温泉で汗を流して美味しいお弁当を食べ、珠洲の街の「今」をこの目で確かめた後は、

旅の疲れと達成感が心地よい眠気となって一気に押し寄せてきました。

夜の散策を終えた後は、翌日からの走りに備えて早めに布団に入り、すぐに泥のように眠りにつきました。

能登半島の豊かな自然と、震災の厳しい現現実の両方を肌で感じた初日はこれで無事に終了です。

明日はさらに奥能登の深部へと走りを進めていきます!

日本横断一筆書き  合計 走行距離1, 0100キロ

60歳で自転車世界一周へ。
この一杯が、次の一歩になります!!