Vol.85 珠洲から能登半島最先端を回り、輪島を経て黒島へ!

いよいよノトイチ2日目がスタート!
この日は珠洲の「のとじ荘」を出発し、
奥能登の絶景が広がる海岸線をひたすら走り抜け、
輪島を経由して黒島までの約100kmを走破する本格的な山と海のロングライドです。
いよいよ能登半島の最深部へと足を踏み入れる旅が始まります。
この先にどんな素晴らしい景色や未知の発見が待っているのか、
想像するだけで胸が高鳴り、ワクワクが止まりません!
期待を胸に朝日の中へ走り出しました。
【Day2 アクティビティデータ】
走行距離:98.43 km
所要時間:10時間00分21秒
平均速度:9.8 km/h
獲得標高:821 m
消費カロリー:2,031 kcal

2日目のスタートは日の出から のとじ荘近隣でのんびりと
ノトイチ2日目は、綺麗な日の出とともに爽やかにスタートしました。

本格的にペダルを回し始める前に、まずは「のとじ荘」のすぐ目の前に広がる海岸周辺を愛車とのんびり散策。

朝日に照らされた見附島(軍艦島)を背景に、
「LOVE」モニュメントや「縁結びの鐘」の前で記念撮影です。
波の音を聞きながら朝の光を浴びていると、
今日1日のロングライドに向けたエネルギーが身体の底から湧いてくるのを感じます。
静かで美しい海を眺めながら最高の朝の時間を過ごし、
気持ちを整えて出発の準備を整えました!

朝の散策を終え、まずは朝食と補給のためにコンビニを目指してペダルを漕ぎ出します。
道中、珠洲市内の被災地を間近に見ながらの走行となりました。
完全に押し潰されてしまった家屋など、厳しい現実が目の前に広がります。


朝早くからゆっくり移動していたのには理由がありました。
目指すファミリーマートの開店時間が午前7時だったためです。
ここから先、輪島方面へ向かう約80kmの区間は途中で食料を補給できるポイントがほとんどありません。
サイクリングにおいて食料の確保は文字通り命綱です。

開店までの時間は道の駅で調整。
そこで、能登町出身で現在は金沢にお住まいだという地元の若きサイクリストとお会いしました。
彼はここから折り返す予定とのこと。「輪島までの路面や状況がやっぱり気になります」
と話されていたので、「代わりに僕がしっかり走って見てきますね!」と
お互いの無事を祈ってお別れしました。

7時ちょうどに無事開店したファミマで、これでもかと食料と水分を買い込み、
バッグへしっかりパッキング!万全の補給体制を整えて、
いよいよ本格的に奥能登の深部へと走り出しました。

能登半島の最先端!禄剛崎灯台へ到着
快晴の青空のもとペダルを漕ぎ進め、
8時43分、本日の最初の目的地である能登半島最先端の
「禄剛崎(ろっこうさき)灯台」に到着しました!

坂道を登りきった先に広がっていたのは、視界いっぱいに広がる日本海の圧倒的な大パノラマ。
白亜の美しい灯台が澄み渡る青空と太陽の光に映えて、まさに絶景の一言です。

「東京 302km」「釜山 783km」と書かれた道標の前に立つと、
日本の端っこまで自分の脚でやってきたのだという達成感がこみ上げてきます。
最高の天気に恵まれ、幸先の良い2日目のスタートとなりました。
大海原からエネルギーをたっぷりもらい、いよいよここから能登半島の「外浦」エリアへと向かいます!
禄剛崎を出発し、いよいよ能登半島の「外浦」エリアを走ります。

看板にもある通り、まさに「奥能登絶景海道」!
右手にどこまでも広がる濃いブルーの日本海とダイナミックな
断崖絶壁を眺めながらペダルを回すのは、サイクリストにとって最高の快感です。

道中、「能登半島最北端の店」と掲げられた「井上商店」さんを発見!
コンビニや自動販売機すら限られるこの区間で、
元気に営業されている地元の商店に出会えるのは本当にありがたく、心強い存在です。

風を切って走る心地よさと温かい景観に癒やされながら、奥能登の絶景ルートをさらに進んでいきます!

看板の立つ「ゴジラ岩」スポットに到着!……したのですが、
海岸を見渡してもあの独特なゴジラの姿がなかなか見つかりません。
実は、地震の影響で崩れてなくなったわけではなく、
大規模な地盤隆起によって周囲の海底が2メートル以上も露出したためでした。
かつては海の中にぽつんと佇んでいたゴジラ岩ですが、今は陸続きの岩場と化しており、
景色が一変して保護色のように溶け込んでいます。
さらに、西側へ少し移動して振り返る角度から見ないとゴジラのシルエットにならないため、
降りられない状態だと発見するのは至難の業。
この地盤隆起のすさまじさをリアルに実感する場所となりました。
自然の力の大きさを噛み締めつつ、次の目的地へと進みます!
道の駅 すず塩田村で休憩!名物塩ソフトでクールダウン
奥能登の海岸線をさらに進み、「道の駅 すず塩田村」に到着して一休みにしました。

ここ珠洲市仁江海岸は、日本で唯一、江戸時代から続く伝統的な
「揚げ浜式塩田」による製塩法が継承されている場所です。
青空のもと、綺麗に整えられた塩田と茅葺きの釜屋が広がる風景は、
どこか懐かしく味わい深い情緒を感じさせてくれます。
そして、暑い中のサイクリングで疲れた身体が求めていたのはこれ!名物の塩ソフトクリームです。

まろやかな甘みのなかに絶妙な塩気が効いていて、
火照った身体と塩分補給に最高の美味しさ。
しっかり冷やしてエネルギーをチャージできました。
伝統の塩づくりの歴史に思いを馳せつつ、
冷たいスイーツでリフレッシュを完了!ここからさらに先へとペダルを進めます。

絶景の白米千枚田に到着!青い海と鮮やかな緑のコントラスト

12時12分、本日のハイライトの一つである輪島市の「白米千枚田」に到着しました!
急斜面に幾重にも重なる小さな田んぼ群と、
その背後に広がる日本海の圧倒的なコバルトブルー。
夏の青空のもとで生き生きと緑を輝かせる棚田の姿は、まさに息をのむ美しさです。
地震の影響で大きな被害を受けた地域でもありますが、
こうして力強く青々とした緑をたくわえる棚田の姿を目にすると、
地域の再生に向けた力強さを感じずにはいられません。

青空の下、白米千枚田の美しい棚田を背景に、海沿いの道を駆け抜ける。
これぞノトイチのハイライト!
この景色を見られただけで、今回の旅はもう大成功と言い切れます。
13時12分、輪島市内に到着しました。
大規模な火災や建物倒壊の被害を受けた「朝市通り(河井町)」エリアへと足を踏み入れます。
公費解体や瓦礫の撤去作業が進み、かつて多くの店舗や住宅がひしめき合っていた場所は、
見渡す限りの広大な更地へと変化していました。

青空の下にポッカリと広がった空間と、綺麗に整地された地面。
活気に満ちあふれていたかつての朝市の姿を知っているからこそ、
この静けさと景色の変貌には言葉を失います。

被災から時間が経過し、復旧へのプロセスが一つひとつ進んでいる現実に触れ、
複雑な思いを抱きながら静かにこの場所を後にしました。
輪島市内で昼食をとれるお店を探したものの、
限られた営業店舗に人が集中していることもあり、どこも激混み状態……。
ランチ難民になりかけたので早々に諦め、
地元のスーパー「フレッシュランド・マルコー」さんへ駆け込みました。
無事にゲットできたのは、大きな鮭がドンと乗った「焼きサケ弁当」!

唐揚げなども入っていてボリューム満点、
何よりしっかりとお米とおかずを補給できるのがサイクリストには嬉しい限りです。
地域インフラとして元気に営業してくれている地元スーパーのありがたみを痛感しつつ、
しっかり腹ごしらえを完了。
ゴールまで残り20km!黒島へ向けたラストランへ
お腹も満たされたところで、いよいよ本日のサイクリングも終盤戦。
輪島市内を後にし、本日のゴールである門前町・黒島エリアを目指して
残り20kmのラストランへ出発です!
これまで走ってきた能登の景観や数々の出来事を思い返しながら、
一ペダル一ペダル噛み締めるように進みます。
最後まで安全運転を第一に、能登半島の爽快な風を感じながら駆け抜けます!
輪島市内を抜け、海岸沿いの「ブルーライン(自転車道)」に沿って進む予定だったのですが……
途中でうっかりルートを見失ってしまいました。
本来なら西保海岸のダイナミックな海沿いを進めたはずだったのですが、
気がつけば陸側の内陸ルートへ。
「しまった!」と思いつつも、
勾配のある山あいの道を走りながら門前町黒島町へ
思い描いていたコースとは少し変わってしまいましたが、
こうした予期せぬ遠回りやルート変更も自転車旅ならではの思い出。
緑深き陸側の風を感じながら、いよいよ最終目的地の黒島を目指してラストスパートです!
ゲストハウス黒島へ無事に到着!晩酌の準備も万全
事前にGoogle Mapsで調べたところ、目的地の近辺にはコンビニがないことが判明。
そのため、手前約4kmの場所にあったファミリーマートに立ち寄り、
今夜の楽しみに向けたアルコールとつまみを忘れずに買い込みました!
買い出しを済ませてラストスパートをかけ、16時ちょうど、

本日の宿である「ゲストハウス黒島」へ無事到着しました!
黒瓦と木造の味わい深い建物が、走り切った身体をあたたかく迎えてくれます。
走行距離98.43km、獲得標高821mを自分の脚で走り抜けた達成感はひとしおです。
宿に到着後、シャワーを浴びて洗濯を済ませ、
さっそく黒島の集落内を散策することにしました。
北前船の主船主集落として栄え、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている黒島地区。

黒瓦と板張りの風情ある外観が特徴的ですが、一歩路地に入ると地震被害の生々しい光景が目に入ります。

大きく傾いた家屋、倒壊を防ぐためシートで覆われた屋根、
骨組みだけが残された門構え……。美しい歴史的な街並みと、

地震が残した厳しい現実が隣り合わせに存在していました。



自分の足で歩き、直接この景色を目に刻むことで、
復興への道のりの長さと地域の皆様の暮らしに改めて思いを馳せる散歩となりました。
旅の締めくくりは、日本海を染める黄金色のサンセット
散策の終わりとともに日暮れが近づき、黒島の街並みがオレンジ色の夕光に包まれていきます。

海岸線へ出ると、日本海の水平線に向かって静かに陽が沈んでいく感動的な光景が広がっていました。
空には一本の綺麗な飛行機雲が伸び、オレンジから群青色へとグラデーションを描く空をゆっくりと切り裂いていきます。

波音だけが響く静寂のなか、黄金色に輝く夕陽を見送る贅沢なひととき。
今日も一日、たくさんの絶景と出会い、無事に走りきれたことに感謝したくなるような、
素晴らしいサンセットで旅の締めくくりとなりました。

夜が更けるまで語り合う、ドミトリーならではの温かな時間
宿に戻り、楽しみにしていた晩酌タイム。
ドミトリーの良いところは、全国から集まった一期一会の旅行者同士が自然と打ち解け合えることです。
買い込んできたお酒を片手に、「どこから来たのか」「今日はどこを走ってきたのか」と会話が弾みます。
今日出会った絶景のこと、復興の道のりを感じた街並みのこと、そしてお互いの旅の物語……。
お酒を酌み交わしながら語り合う時間は尽きず、黒島の静かな夜はゆっくりと更けていきました。
最高の出会いと美味しいお酒に満たされ、明日への元気をしっかりチャージ。
素晴らしい一日の締めくくりとなりました。
日本横断一筆書き 合計 走行距離 10,200キロ





