秋晴れの3連休は南アルプスへ!日帰り最難関・聖岳35kmに挑む

はじめに
日本百名山制覇を目指す旅、
25座目となる南アルプスの名峰「聖岳(標高3,013m)」への挑戦です。
聖岳は、アクセスの長さ、標高差、そして登山口から山頂までの圧倒的な距離から、
登山者の間では「百名山・日帰り最難関」の一つとして知られています。
なぜ今回、この試練の山に挑むことになったのか。
この週末、ベテランであり同じ百名山ハンターでもある
山仲間のMさんを誘って山修行へ行くことにしました。
私から「何かチャレンジングな山に一緒に行きましょう!」
と提案したところ、行き先がこの「聖岳」に決定したのです。
試練と絶景が入り交じる、タフで最高のワンデイハイクの記録をお届けします。
芝沢ゲートまでに既にお腹いっぱい 通行止め等あり、
予定より1時間遅い 4時15分スタート 先が思いやられる

長い林道歩きと激しい急登
今回は山仲間のMさんと
漆黒の暗闇の中、ヘッドライトの明かりだけを頼りに歩き出します。
車での長距離移動と道路状況の悪さに加え、スタート前からすでに少し疲れ気味。
ここから山頂までの果てしない道のりを考えると、一瞬気が遠くなりそうになります。
約7キロの林道で明るくなってきました! 遠くに見えるのが聖岳です。

山と山の間から覗く聖岳の威容を目にすると、先ほどまでの疲労感が吹き飛び気合いが入り直します。

途中には迫力ある工事用の仮設足場や川沿いのルートがあり、
変化にとんだ林道を淡々と進んでいきます。 朝の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みながら、
登山口へのアプローチを消化していきました。

沢も渡り、聖光小屋から本格的な登りが始まります

ピンクマークを頼りにいよいよ本格的な山道へと踏み込んでいきます。

ここまでの平坦な林道歩きから一転して、傾斜が少しずつ増してきます。
周囲の樹林帯も深くなり、いよいよ南アルプス本番といった雰囲気が漂ってきました。
脚の感触を確かめながら、これからの長丁場に備えてペースを整えていきます。
6時32分 急登開始
1100Mあたりから3000まで急登です

標高1,100m付近から3,000m超の稜線まで、ひたすら高度を稼ぐ厳しい登りが続きます。
苔むした立派な樹林帯の中、九十九折の急坂がどこまでも続いて終わりが見えません。
足裏全体でしっかりと地面を捉えながら、一段一段噛み締めるように登っていきます。
Mさんのペースも合わせてひたすら登ります
二人で会話を交わしながら、お互いの調子を見てちょうどいいリズムを保ちます。
急登の連続で脚への負担は相当なものですが、パートナーがいるのは本当に心強い限り。
汗が吹き出しますが、焦らず一歩一歩確実に標高を削っていきます。
木漏れ日が差し込む美しい森の表情を楽しみつつ、ひたすら前を目指して進みました。
やってきました 分岐点 ここで視界が一気に
分岐点でのデポと昼寝タイム
9時34分

長く苦しかった樹林帯の登りを抜け出すと、目の前の世界が一変します。
青空のもと、周囲の山並みが一望できる大パノラマが飛び込んできて思わず歓声が上がります。
厳しい登りを耐え抜いたからこそ味わえる、最高の解放感と達成感の瞬間です。
時計を見ると9時34分、ここまでの努力が報われる素晴らしいロケーションに出会えました。
水を途中で汲めるところがなかったので 今回は4.5リットルと多め ここでデポして 最後の登りに備えます

一気に背中が軽くなり、身体が浮くような感覚でエネルギーが湧いてきます。
いよいよ目指す聖岳の山頂に向けて、万全の体勢で最後のビクトリーロードへ挑みます。

途中、Mさん眠いといって 20分の昼寝

ここまでの長時間の登りと寝不足もたたってか、途中でMさんが「猛烈に眠い」と一言。
暖かな日差しが差し込む草むらにゴロリと横になり、まさかの山中昼寝タイムがスタートです。
日帰り最難関の緊張感の中で訪れた、なんとも平和でシュールなひととき。
しっかり体力を回復させて、ここから残り標高差約600mの厳しい正念場へと挑みます。

富士山も 景色もサイコー
稜線に出て視界が広がると、遠くには美しいシルエットの富士山がくっきりと見えて感動。
秋風に揺れる黄金色の木々と、雲ひとつないどこまでも深い青空のコントラストが言葉にならない美しさです。

ザレ場の急坂を登りながら振り返るたびに広がる山並みのパノラマは、
まさに疲れを吹き飛ばしてくれるご馳走。
最高の天候と素晴らしい絶景に包まれながら、
山頂への一歩一歩を噛み締めるように進んでいきます。
ここが小聖岳 10時53分

小聖岳を越えて山頂・奥聖岳へ

10時53分、小聖岳に到着。
ハイマツの間にひっそりと置かれた「小聖岳」の手書き看板が迎えてくれました。
ここから見上げる聖岳本峰の姿は圧倒的で、山肌の崩落壁と稜線の美しさが際立ちます。
山頂まではあとひと踏ん張り、青空へ向かって伸びるダイナミックな稜線を進んでいきます。

ここからラスト 小聖岳から
Mさんから先に行っていいよと
その後からは自分のペースで
振り返ると歩いてきた細い稜線が延々と伸びる

お互いの体調とペースを尊重しつつ、ここからは自分の足音と息遣いに集中してラストスパートへ。
振り返ると、ここまで歩んできたドラマチックな稜線と、遠くにたたずむ富士山が雄大に広がっています。
最高の景色を独り占めしながら、自分自身のペースで噛み締めるように山頂を目指しました。

そして最後の急登を登ること1時間弱
11時50分 聖岳 到着

ついに標高3,013mの聖岳山頂に到着!
木製の山頂標識の向こうには、遮るものが何ひとつない
360度の大パノラマが広がっていました。
朝の遅れや長い林道歩き、激しい急登を乗り越えて辿り着いた山頂からの景色はまさに言葉を失うほどの絶景。
奥聖岳も完登

奥聖岳山頂標柱と富士山を背にするバックショット

本峰からさらに足を伸ばして、奥聖岳(2,982m)へ。
ハイマツのグリーンと空の青が美しく映える稜線を渡り、無事に完登を果たすことができました。
奥聖岳の山頂標柱の向こうには、依然として美しい姿を見せる富士山が佇んでいます。
この素晴らしい景色をバックに佇みながら、南アルプスの深さと雄大さを全身で噛み締めました。

聖岳と奥聖岳には1時間ほどでしょうか
山頂からの絶景や仲間との時間をじっくり満喫し、山頂滞在は約1時間ほど。

Garminで時計を確認すると、時刻はすでに12時55分。
当初の計画よりも1時間以上遅れての下山開始となります。
時間に追われる下山と漆黒のナイトハイク
ここから登ってきた激下りと長い林道歩きが待っているため、気を引き締め直して足を進めます。
黙々と来た道を降ります

景色はサイコー

遅れを取り戻すべく、転倒に注意しながら黙々と来た道を下っていきます。
下山ルートでも目の前に広がるのは、南アルプスならではの圧倒的なスケールを誇るパノラマビュー。
日差しに照らされた稜線と、遥か遠くまで重なり合う山並みのグラデーションがとにかく美しく、
足が止まりまくって写真撮影、この最高の景色を胸に刻みながら一歩ずつ慎重に標高を下げていきました。
デポした分岐点

14時23分、行きの登りで荷物をデポした分岐点(薊畑分岐)に無事戻ってきました。
ここでデポしていた水や荷物を回収し、再びザックに詰め直して装備を整えます。
ここからは、標高1,100m付近までひたすら高度を落としていく南アルプス屈指の急下りゾーンへ突入。
疲労が溜まった膝や太ももを労わりながら、怪我のないよう慎重に足を運んでいきます。
くだりは時間との勝負 5時過ぎには真っ暗になってしまう

到着は6時ごろかなと、真っ暗なナイトハイクは避けたいところでしたが・・・

ここからの下りは時間との勝負。 秋の日は釣瓶落とし、5時過ぎにはあたりが真っ暗になってしまいます。
黙々と急坂を下り続け、16時25分になんとか沢を渡り切りました。
そこから先の最後の約7kmの林道は、予想通り完全に真っ暗。
ヘッドライトの明かりで足元を照らしながら集中を切らさず歩き続け、
18時ちょうどに無事車の待つ芝沢ゲートへ帰着!
山行のまとめ

・登頂日:2026年10月12日
・登頂座数:日本百名山 25座目
・コース:芝沢ゲート〜便ヶ島〜西沢渡〜薊畑分岐〜小聖岳〜聖岳〜奥聖岳(ピストン)
・タイム:4:15芝沢ゲートスタート ➔ 11:50聖岳山頂 ➔ 18:00芝沢ゲート帰着(約13時間58分、約35.15km)
スタート直前のトラブルや1時間遅れのスタート、急登での疲労や昼寝タイム、
そして暗闇のヘッドライト下山まで、まさに試練とドラマの詰まった1日となりました。
日帰り最難関と呼ばれるにふさわしい、
35km超・累積標高2,430mというタフなルートでしたが、
山頂で迎えてくれた快晴の大パノラマと富士山の絶景は一生忘れられないものになりました。
無事に怪我なく14時間近い工程を完走し、下山できたことへの感謝と達成感はひときわ大きいです。
最高のパートナーであるMさんとの深い山修行となり、
南アルプスの圧倒的なスケールを全身で感じた記憶に残る山行となりました。




